診療日誌

2018.07.27更新

私はもともと漢方薬については{あまり効かない}と思っていて、どちらかというと{出しても無駄}と馬鹿にしていた。従い臨床においても漢方薬を出すことはほとんどなかった。

ところが最近「安定剤や睡眠剤の依存性」「抗うつ薬や抗精神病薬の副作用」などがあまりに強調されるようになり、必然的に漢方薬を試す機会が増えてきている。実は直接のきっかけになったのはツムラの営業担当者の粘り強い説明とその方からわかりやすいパンフレットをいただいたからなのであるが、説明を聞いているうちに少し使ってみようかという気になったのである。

まず最初に試したのが「酸棗仁湯」で不眠症の方に、寝る前2包で飲んでいただいた。あまり効かないだろうと思っていたところ、半数以上の方が良くなり、これに気をよくして「半夏厚朴湯{不安のある方}」「加味帰脾湯{抑うつのある人}」「抑肝散{苛々がある人}」なども使っている。

依存性のある薬を飲みたくないあるいは出したくない人や昼間、眠くなると困るような人、比較的に軽症の方に向いていると思う。

漢方薬は手書きの場合、漢字がうまく書けないこと、保険薬で出す場合、適応症に気をつけることが大変ですが、副作用がほとんどないということは魅力的と思われます。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2018.07.16更新

障害年金を申請する人は年々増えていると思われる。そしてそれに呼応するかのように、審査が厳しくなっている。今まで受理されていたであろうと思われる人までも不受理となっている。困るのは真っ先に本人である。多くの人が年金をあてにして生活を送ることを考えているからである。本人はその不満を担当医に言う。しかし決まってしまったからにはどうこうしようもない。改めて再申請をしてもらうかであるが、医師としては前回と全く違うことは書けない。仕方が無いので社労士さんに相談してもらうことがある。

10年前の話であるが、市の担当者から「精神科の障害年金の数が他の科に比べると非常に少ないのでどんどん出してください」と直接言われたことがある。その話を聞いて、私は{自立支援の時もそうだったな}とふと思い出したのである。精神障害者の定義が変わったせいもあり、自立支援の数はどんどん増えていったが、その後患者負担が0%から5%に増え、今は10%になっている。障害年金の審査が厳しくなっているのは{このまま障害年金の受給者が増えてしまうと困るぞ}という話しなのではないだろうか。それは社会保障費を減らしたい国の施策でもあるように思われる。

それにしても年金がもらえない事態を想定して「申請の時点で{必ずもらえるわけではないですよ}とか{もらえない可能性がありますよ}と事前に患者さんに話しておいてください」ということのようだ。患者さんから「年金診断書を書いてください」と頼まれたとき、医者は断ることができないということなのだそうで、そうするしかないようである。

 

 

 

投稿者: 湘南こころのクリニック

2018.07.08更新

7月5日は神奈川県精神科病院協会との合同講演会が催された。専門医に必要なポイント集めで出席したわけだが、そこで貴重な話を聞くことができた。

昭和大学の講師の方が以前、東京都で行っていた行政指導の内幕を聞くことができたのである。そこでビックリしたのは「通院精神療法は患者さんとの話のやりとりを記録しただけでは不十分で、精神療法的なことをおこなったかどうかという内容がわかることが必要」と言われたことだった。これには「参ったなあ」と思ったが、質疑応答の席で協会会長から「実際どういうことを書いたらいいのですか」という質問があり、「1行程度でいい。患者さんには何か言うでしょう。そういうことが書いてあればいい」とのことでほっとした。そして私は7月7日の診療日からカルテの一部に次のようなことを追加していくことにした{心がけていくことにした}。

すなわち現在の状況についてのコメントやどういうアプローチを行ったかについての記録である。

例えば「現在落ち着いており、支持的な対応をした」とか「やや不安定であり、病状の説明をおこなった{psychoeducation}」とか「再発防止のためストレス対処法について話した」とかである。

毎回毎回、書き続けるのは大変かなあとも思うが、3日坊主にならずに続けていこうかなあと思う。

 

 

投稿者: 湘南こころのクリニック

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