診療日誌

2017.10.30更新

本屋さんを覗いてみると早いもので来年の手帳やカレンダーが既に並んでいる。人気があるものは売り切れてしまうと思い、まだ早いとは思いながらいくつか購入した。

そんな折、家に飾ってある今年のカレンダーの風景や文字を見ていたら、はっと心が動かされた。そこにはこんな詩が書かれていた。

   これ以上はできない  そう思えるまで何かに焦点したい。

   これが限界だと   言い切れるまで   力を尽くしてみたい。

   一生をかけても   惜しくはないことに   挑み続けたい。

   1人ひとりに   魂という永遠が   息づいている。

   人間の本当の歓びは   内なる永遠を   外なる世界に   結晶させることにある。

                       {結晶する永遠}{詩:高橋佳子}

 

 

投稿者: 湘南こころのクリニック

2017.10.18更新

タイムラグとはある現象{A}が起こり、その後一定の時間的なずれを経て、別の現象{B}が発生する時、{A}と{B}の間の時間的な差を指して使われる言葉である。

タイムラグの例としてよく言われるのが、{A}甲状腺ホルモンが異常高値となると数週間遅れてから{B}躁状態が現れるという場合である{必ずそうなるわけではないが}。薬物効果としては抗うつ薬の服用時期と効果発現時期との間にもタイムラグがあり、通常1ヶ月程度と言われる。睡眠薬や安定剤は即効性があり、薬が直接作用すると考えられるが、抗うつ薬の場合は直接的ではなく、いくつかの経路を介して間接的に作用しているものと思われる。

ちなみに感染症の場合は、空間的、地理的状況がバリアーとなってタイムラグを生じさせる。例えばインフルエンザの場合である。山奥に住んでいる人や引きこもりの人はインフルエンザにかかりづらい。また、病院に入院している患者さんや施設に入所している人は市中での流行が収まってから感染する場合が多い。これは社会的な流行のタイムラグである。

あるとき患者さんから{ダイエットをして2~3週間経つけど一向に体重が減らない}と言われたことがあるが、私はこんなふうに答えた。{僕も若いとき一生懸命ダイエットをしたことがあったけど、1ヶ月めは全く変化が無く、2ヶ月目から少しづつ減るようになり、8Kgほどダイエットできた。だから、あきらめずに続けてください。リバウンドもあったけど}と。

 

投稿者: 湘南こころのクリニック

2017.10.09更新

ノーベル文学賞の発表に皆さん{エツ、エツ、エー}という思いであっただろう。カズオ・イシグロという日本人名の方に賞が決まり、日本中が沸いた。テレビのインタビューの中でイシグロさんに{あなたは日本人ですか?イギリス人ですか?}と質問する人がいたが、日系イギリス人ということだから{日本生まれのイギリス人}ということになるであろう。

イシグロさんについては2~3の本を私はすでに読んでおり、ある程度知っていた。きっかけになったのは1~2年前にテレビで放映されて話題になった、綾瀬はるか主演の{わたしを離さないで}である。

私は彼の文章をみて、ノーベル賞という意味においては村上春樹の上をいっているんじゃないかと当時思ったことを記憶している。

イシグロさんの作品は社会性・時代性を強く意識されており、その中に淡いメッセージ性を織り込んでおり、表現の仕方も緻密で、まるで日本の職人技のような巧みさを持っているのである。世の中に面白い本やたくさん売れている本はいくつもある。しかしノーベル賞は社会に影響を与えたあるいはこれからも与えるであろう作品が選ばれているのではないかと思う。

私は何十年か先にアニメからノーベル賞が生まれてくると面白いのにと空想している。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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