診療日誌

2016.02.22更新

ためこみ症はなじみの薄い名前であるが、DSM5で1つの病気となった。しかし臨床的にはあるいは精神保健上においては、昔からよく知られていた病態である。以前にもお話ししたかと思うが、私は保健所の嘱託医として長年、訪問活動等に従事してきた。そこでいわゆる{ごみ屋敷}化したお宅にも何度か足を運んでいる。足の踏み場もないほどの、とてもきれいとは言えない家のなかをかきわけ、そこの住人と話しをする。概して{ごみ屋敷}は精神障害の部分的症状として現れていた。例えば統合失調症や認知症や高次脳機能障害や知的障害や覚せい剤中毒性障害などであった。
ちなみに{ためこみ症}はDSM5では{強迫症および関連症群}の中に含まれている。他の精神疾患に伴って現れることがあるが、単独でも現れることがあり、独立する1疾患とされたのだ。
私は{ためこみ症}と同等、あるいはそれ以上に{ひきこもり}を1つの病態として、精神疾患の1つとして扱うべきだと思っている。なぜなら{ひきこもり}は同じく他の病気に付随して現れることも多いが、単独でも現れ、社会的にも精神保健上においても極めて重要だからである。{欧米ではひきこもりはない。日本独自のものだ}という論調もある。しかし20年以上前に{欧米には対人恐怖症はない。日本独得の病態だ}と言われたこととどこか似ているような気がしてならない。対人恐怖症は形を変え、社会不安障害として、欧米でも不安障害の中では1番多い病気として今では認められているのである。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2016.02.10更新

デパスは安定剤としてあるいは睡眠薬として使われている。デパスは効果がシャープであるが故に副作用も強く現れやすい。日中における眠気もそうであるが、夜間のふらつきもみられお年寄りには使いづらい。また作用時間が短いうえに効果が強いためについ頻回に使ってしまう傾向があり依存性が生じやすいともいえる。従ってデパスを使う場合には慎重を期す必要がある。患者さんへの説明も不可欠である。
本来安定剤も睡眠薬も長期にわたると習慣性を生ずる。安定剤よりも睡眠薬のほうが、弱い薬よりも強い薬のほうが、使う回数が少ないより多いほうが習慣性は早く生ずる。必要であれば最小限を心がけていくことが必要であろう。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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