診療日誌

2015.04.29更新

先日ポールマッカートニーの公演会に行ってきた。東京ドームの二階スタンド席だった。開演前<ここからじゃあ、全然見えないなあ>とつぶやくと、隣の威勢のいいおじさんから<あそこに映し出されるからはっきり見えるよ>と教えてもらった。演奏が30分おくれて始まった。心配したが、ポールの華麗な姿がスクリーンに映し出された。まだまだ現役である。演奏の合間にたどたどしい日本語をくりだした。これもサービス精神なのだろう。<チョー、サイコウ>とか多分日本人の関係者から教わったのかな?2時間もの間、休憩時間を全くとらず動き続け、歌い続けた。途中<ジョンレノンにささげる>そして<ジョージにささげる>といってかれらの作った曲を歌った。さすがにジーンときた。
やはりビートルズはすごい。ポールはその伝道者としてまさにここに立ってくれていると感じた。
久しぶりに、いい気分で帰宅した。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2015.04.20更新

DSM4から診断名の中に<神経症><精神病>という言い方が使われなくなり,かわりにDisorderという言葉が用いられるようになった。日本語では<障害>と訳され現在に至っているが、この<障害>という言葉はどうしても<障害者>という意味に響いてしまう。DSM5もICD10も診断分類であるが、臨床的に遭遇する不具合を網羅しており、軽症・重症を問わない。軽い精神的な不調も含まれ、もちろん狭義の精神障害者にはあてはまらない。切り傷や風邪のように身体の病気にはかからない人がいないように、一生に一度は誰でも精神的な不調をひきおこすことが予想される。そうするとほとんどすべての人が<障害者>になってしまう。
Disorderの訳語についてはDSM5では全体的には不統一となっており、<障害>のかわりに<症>という訳語が一部採用された。私は英語訳にとらわれず、日本は日本で独自の訳名をつくってもいいと思う。例えば精神疾患は原因も明らかになっていないものが多く、種種の病因が含まれている可能性が高いことから<症候群>にするのはどうであろうか?あるいは<系疾患>にするとか、軽症の場合は<症>を使い、中等度以上の場合だけ<障害>にするとか{これも問題はあるが}。いろいろと知恵を集め、できるだけしっくりくる名前をつけるのがいいと思う。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2015.04.10更新

精神障害{M}はある特徴をもった症状群がある一定期間みとめられた場合に通常診断します。発症時期は主に思春期以降です。パーソナリティー障害{P}はある種の性格の偏りをあらわしたもので、一定程度以上の性格の偏りがあるために日常生活に支障をおよぼすに至っている場合に診断します{正常と異常の境目がなく、いわゆるスペクトラムです}。発達障害{D}は出生時あるいは幼児期に生じた脳の器質的な障害により知的な発達あるいは社会性の発育が損なわれたものです。知的障害と自閉症が入ります。MとPとDは全く異なっているようにみえますが、相互に関連し合っています。すなわち精神障害はある一定のパーソナリティーの中から多く発症します。また軽度の発達障害の人は精神障害をひきおこす割合が高いことがわかっています。MとPとDを木で例えると、発達障害は幹の部分の障害、パーソナリティー障害は枝の部分の障害、精神障害は葉の部分の障害ということになるでしょうか?
幹の障害は日常生活全般に影響を及ぼします。従って通常ひとりでの生活が困難となります。枝の障害はその枝の部分で問題がおきますが、ほかの部分では全く問題がありません。その部分に限って、永続的なトラブルが大きく生じてくるわけです。葉の障害は一時的に思うようなパフォーマンスが保てなくなりますが、新たな葉が芽生えてくると、そう、治ってくる可能性が高いのです。
最近アスペルガーではないかと心配されて来院される方がおられますが、先の幹と枝の関係でいうと幹ではなく枝の障害です。自分でしっかりと生活されているわけですからパーソナリティーの偏りとみたほうがしっくりします。
発達障害ととらえるのはもっと重度のひとに限るべきです。ちなみに一般のパーソナリティー障害も脳の偏りに起因している部分が大きいと思われます。


投稿者: 湘南こころのクリニック

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