診療日誌

2015.02.27更新

双極性感情障害{躁うつ病}はうつと躁を周期的に繰り返す病気です。この「うつ」と「躁」はちょうど正反対の対を示していることから「双極性」と呼ばれています。しかし、双極性を示すのは躁うつ病だけではありません。最近はあまり見られなくなりましたが、統合失調症の緊張型とよばれる病態があります。緊張病性昏迷と緊張病性興奮という正反対の対を持ち、周期性の経過を示したり、良くなると躁うつ病のように寛解します。躁うつ病は感情{気分}の病気ですが、緊張病{昔はこう呼ばれていた}は発動{欲動性}の病気です。
実はそれ以外にも対を示す精神的機能にはいくつかあり、「不眠」と「過眠」、「不食」と「過食」などいくつかあげられます。
同じようなパターンを示す精神機能は同じような精神構造をもっている可能性があります。ただし証明されていない事柄ですので、この可能性は推測の域をでないわけですが、精神機能の究明をされている方には何かヒントになるようなものがあるのではないでしょうか。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2015.02.16更新

うつ病にかからないようにするためにはどうしたらよいのかについて絶対に大丈夫という方策はないのが現状である。ただしその可能性をへらす方法は存在する。いわゆるリスク要因に対して対処するというものである。
1 疲れをためないようにする
うつ病の中核症状として全身倦怠感というものがある。疲労が積み重なって、疲れがぬけない状態がつづくとうつ病になりやすくなる。だから極力疲れをためないようにする、たまったら十分な休息をとって疲れをとりのぞくことが大切である。疲れているときは無理はしないことである。
2 十分な睡眠をとる
不眠もまたうつ病の中核症状である。睡眠をとることがうつ病の予防につながるというデータが増えている。睡眠は疲れをとるための最良の手段でもある。
3 クヨクヨしない
うつ病になると否定的な考え方に陥りやすい。また逆に否定的な考え方をする人はうつ病にかかりやすい。自分で気が付いたらできるだけクヨクヨしないようにする。そのための方法としては気持をきりかえる、ほかのことで気をまぎらわせる、前向きな考えかたをするなどの方法が有効である。
4 うまく気分転換する
楽しく過ごせていればうつ病にはならない。できるだけ楽しんでやれるものをみつけて気分転換を毎日の生活に取り入れていくようにすることである。
5 仲のいい人をつくる
困った時に誰かがいてくれると心の救いになる。ひとりで孤立してしまうとうつ病になりやすくなる。お互いに理解しあえる人をみつけて愚痴をこぼすだけでも予防効果となりえる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2015.02.06更新

季節・気圧・日照時間などの気象条件とこころの病いとの関連性については昔からよく言われてきた。例えば木の芽どきにはうつなどの病いが多くなるという。私が研修医の頃、教授から調べてみるよう命じられ、統計をとったことがある。あまりいい結果が得られず、発表するまでには至らなかったが、ある傾向は明らかとなった。
統合失調症に関しては季節による発病の変動はみられなかった。うつ病は春と秋にやや多く、躁病は夏にやや多かった{ただし、有意差がでるほどではなかった}。気圧と日照時間に関しては詳しく調べることができなかったが、一部の患者さんについては、台風などが近ずいてくると調子が悪くなる、あるいは雨の日は気分が沈みがちになるという人たちが少なからずいた。
うつ病の人は変化に弱いといわれている。春は卒業・就職・異動の時期であり、秋は稲の刈り入れ時・異動の時期にあたる。ストレスが発生しやすい時期でもあり、季節要因は必ずしも気象要因と限らない。大きな集団で調べるとなかなか有意差を示すことはむずかしいが、その中の一部の人たちには気象に関連するものが存在する可能性はある。実際当時はほとんど知られていなかったが、季節性うつ病あるいは冬季うつ病の存在はしばらくして海外文献で知ることになった。現在、DSMでは非定形うつ病の中に含まれている。

投稿者: 湘南こころのクリニック

診療日誌