診療日誌

2014.09.28更新

新薬がでた場合、医者はどのような反応を示すだろう。新薬が画期的なものかどうかにもよるが、医者はまずその薬が診療に使えそうかどうかにつぃて吟味するだろう。もし使えそうとなると、新薬の情報を頭に入れるよう努める。適応症、使用方法、副作用、禁忌となるもの、大まかな作用機序などである。そして実際に使うことになる。治験はもう終わっているので、ある程度の安全性はすでに担保されている。従って実際にどうなるかということを自分の経験として目の前で確かめていくことになる。思っていたほどでもないなあとか、予想以上に効き目があるなあということがだんだんとわかってくる。一般開業医だと新薬についての情報は医学雑誌やMRとよばれる製薬会社の担当者から得る場合が多い。最近、製薬会社の不祥事があいついでいるので、MRのいうことをそのまま鵜呑みにすることができにくくなっている。向こうはセールスマンであり、有利なものは出してくるが不利なものはあえて出さないようにしているということが明らかになってしまった。しかし、貴重な情報源であることにこれからも変わりはなく、お互いにもちつもたれつの関係はつづいていくことになろう。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2014.09.18更新

精神疾患の代表格である統合失調症・躁うつ病・うつ病・パニック障害を含め、多くの精神障害は未だ病因が明らかになっていない。従って、診断は臨床診断に頼っている。これはWHOのICD診断もAPAのDSM診断も同じである。臨床診断とは{ある一定の症状と、ある一定の経過と、ある一定の重症度と、ある一定の除外基準をもつ、ひとかたまりの一群をとりだして一つの病気と診断する}ものである。いわば症候群といっていいものであり、症状の揃い方などによって定型群・非定型群などが生じてくる。精神症状については主観的にしかわからないものも多く、本人が正確に状態を話してくれないと診断がわからないことや間違って診断してしまう危険性もある。これに反して確定診断とは診断の根拠が誰がみてもあきらかな証拠にもとずいて診断されるものである。精神障害のなかで確定診断が可能なものには遺伝子学的診断で診断可能なダウン症などの遺伝子病や剖検によってあきらかにされるアルツハイマー病などの変性疾患などの一部に限られている。精神機能の中枢である脳の働きについてはまだまだ未知の部分が多く、今の段階では臨床診断でがまんしなければいけないわけである。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2014.09.08更新

うつ状態をひきおこす病因には 1 内因性要因{中枢セロトニン系ぜい弱性、中枢ノルアドレナリン系ぜい弱性、その他不明の中枢神経ぜい弱性など} 2 ストレス因{ストレス反応、適応障害、心因性うつ病} 3 精神疾患に伴うもの{統合失調症、不安障害、アルコール依存症、発達障害など} 4 パーソナリティー要因{ストレス耐性の低い人、クヨクヨしやすい人、その他内因性要因の表現型としてのパーソナリティーもありうる} 5 身体疾患に伴うもの{甲状腺機能低下症、脳梗塞、がんなど} 6 薬物性要因{コカイン、薬の副作用など} 6その他 がある。これらは各々独立しているが、実際には重複して発症する場合も多い。 また、うつ状態の程度{重篤度}としては A うつ病の基準にあてはまらないうつ状態 1 軽度{日常生活に支障をきたしているが、軽度で継続的なものでないもの} 2 中等度{日常生活上社会的な機能支障があり、それが持続しているもの}  B うつ病の基準にあてはまっているもの 1 軽度{上記と同じ} 2 中等度{上記と同じ} 3 重度{基本的なADLに支障が出ていて、食事・入浴・外出などに影響が出ている} 
一般的にうつ病といわれているものは 病因1あるいは2 重篤度B であり、 適応障害は 病因2 重篤度A である。なおどちらの場合も病因4が含まれる場合がありえる。
重篤度のAとBにおいては連続性を有しており{完全な連続性ではないが}、うつ病概念の混乱は 病因 X 重篤度{A、Bランクを用いる} の形で解消すると思われる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

診療日誌