診療日誌

2014.06.29更新

日本精神神経学会は毎年おこなわれている大きなイベントです。今年は6月26日、6月27日、6月28日の開催でパシフィコ横浜が舞台となりました。16の会場があり、自分で好きに選ぶことができます。学会員だけでなく、会費を払えば一般の人も入場できます。私は次の講演会を聞きました。1 医学的見地からみる精神障害者の運転技術と安全性 2 精神科医が記載する書類で知っておくべきこと 3 専門家の要らない薬物依存治療 4 PTSDのためのPE療法 5 映像で学ぶ初回面接~パニック障害 6 高次脳機能障害 7 iPS細胞を用いた神経系の再生・疾患・創薬研究。 普段の臨床であまり関係がないようなことも含めて選びました。このなかで一番印象に残ったのは3番の松本先生のもので学術講演らしくないわかりやすい、しかもためになる、珍しく笑いも誘ってくれるすばらしいものでした。学会に参加すると精神科専門医の更新に必要なポイントをためることができます。毎年各大学の持ち回り制となっており、来年は大阪でおこなわれる予定です。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2014.06.20更新

我が国で問題になっているうつ病概念の広がりは、うつ病にとどまらずPTSDや発達障害でもみられている。これは我が国だけの問題ではないことがわかった。最近手にした{DSM5 精神疾患診断のエッセンス}<著アレンフランセス>の本の中に次のようなことが書かれていた。少し長くなるが抜粋してみたい{以下抜粋}。 
<既存データを用いた疫学研究から得られた、時点有病率をみると一般人口の20%が何らかの精神科診断を有し、診断の生涯有病率となると50%に上るとされている。その一因はDSM4によるものであるが、自閉症スペクトラム障害は20倍、ADHDは3倍、双極性障害は2倍に増加している。そして米国の一般人口の20%は向精神薬を服用しており、7%はそれに依存している> 
 これがアメリカの実態ともいえ、われわれはまさにそれに追随しようとしているわけである。対応としては病気の本質を理解し、過剰診断に気をつける必要があるということであろう。 それにしても精神の病いは思った以上に多く存在しているということは驚きともいえる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2014.06.10更新

うつ病で休職を余儀なくされた場合、よくなるまではゆっくりと療養に専念していただきます。その際いつまで自宅療養を続けるかについて大体の目安をお話しています。あせらないことがたいせつですが、復職が可能になるための条件は主に3つあるといわれています。1つめは病状が7~8割以上よくなっていること。2つめは規則正しい生活ができていること{決められた時間に眠れて、決められた時間に起きれること。そして日中もごろごろしないで、ある程度の活動がなされていること}。3つめは復職したいという意欲がでており、復職しても大丈夫かなあという多少の自信が生まれていることです。3つの条件がクリアーしたら、どのような形で復職するかについて会社側と相談し、納得いくような形で復職できるようにしてもらいます{これが4つめの条件となります}。最低限、時間外勤務・休日出勤・出張は当分の間はしないことが大切です。そして復職後も1年以上は無理をしないようにしてもらいます。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2014.06.02更新

中村天風について知っている人は少ないかもしれない。しかし、本屋さんに行くと必ず天風哲学について説いている本が1~2冊はあるはずだ。私が彼を知るようになったのは30代後半の頃である。当時人生哲学に関する本を読みあさっていたが、その中で最も感銘したのが彼の本であった。代表作に{盛大な人生}がある{少し値が張るが}。天風が活躍したのは主に戦前だが、著名人を含め多くの方が彼からさまざまな影響を受けたと聞く。私も彼の著作から多くを学んでいる。それは私の診療を支える柱の一つになっているといっていい。今はやりのうつ病の心理療法の代表格である認知療法はアメリカ人ベックが創設しているが、それよりはるか以前に天風はその考え方についても熟知していたと思われる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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