診療日誌

2013.11.25更新

強迫症状とは確認癖が異常に亢進した状態といえばいいであろうか。この強迫症状のために日常生活に悪影響をきたすようになったものを強迫性障害と呼んでいる。強迫症状には主に二つがあるといわれてきた。すなわち強迫観念と強迫行為である。しかし神経経路には 1]INPUT 2]中枢 3]OUTPUT があり、その諸段階で症状がみられるとしたらもう一つ強迫症状があるのではないかと推測できる。強迫観念は2の段階、強迫行為は2から3の段階、すると1から2にいたる段階で強迫症状があるということである。私の外来に来ている強迫性障害の人で、物を見つずける人がいる。その人は<ごみ袋のなかを、まだごみが残っているのではないかとじっと見ている>のである。一見、強迫行為ともとれるが、認知{知覚}の段階での強迫で、見たものを確認せざるをえないのである。私はこの現象を強迫認知{知覚}と名ずけている。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.11.14更新

精神疾患の分類はICDとDSMでなされているがそれ以外にも未知の病気はないであろうか?私は以前からアパシーと焦燥に着目し、一つの疾患単位として独立できるのではないかと述べてきた。アパシーについては高齢者で脳血管障害を患っている人によくみられることが知られている。しかしアパシーは高齢者に限らず、たとえば若者のひきこもりでときどきみられる。私の外来にもうつ病でもなく、発達障害でもなく、社会不安障害でもなくアパシーとしか表現できない人がいる。焦燥を主とする人はさらに少なくなるが、焦燥病とつけたくなるような人にめぐりあわせることがたまにある。これらは脳の機能障害に対応し、今までの診断基準に当てはまらないものと思っている。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.11.04更新

精神症状は脳の機能的あるいは形態的な変化とともにあらわれてくる場合が多い。しかし、ある一定の変化を示すまでは自覚的に無症状をしめすのが通例である。この一定の幅を閾値という。閾値以下では脳の変化はあっても自覚症状である精神症状はみられない。この閾値が高い人は精神症状が出にくい。逆に閾値が異常に小さいと精神症状の発現が多くなる。これは不安障害やうつ病や躁うつ病のなりやすさと関連するパーソナリティーの一部とみられる。今回は触れないが精神障害になりやすいパーソナリティーは理論的にはさらに二つ考えられる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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