診療日誌

2013.10.25更新

うつ病と躁うつ病は気分の病気である。言いかえれば気分の病気の二大疾病はうつ病と躁うつ病といえる。このうつ病と躁うつ病の周りにはそれに近いが異なる病気がいろいろある。いわゆるうつ状態とか軽躁状態とかで括られる病気である。うつ病の周辺群には気分変調症や適応障害や月経前不快気分障害などがあげられる。また躁うつ病の周辺群には気分循環症や甲状腺機能亢進症などの身体疾患由来の躁状態などがあげられる。うつ病および躁うつ病とその周辺群のあいだには疾病構造上の違いがみられるが、実はうつ病自体そして躁病自体にも二つの構造が存在する。それは軽うつ病と軽うつ状態でないうつ病、軽躁病と躁病である。うつ病が近年増えてきたのはこの軽うつ病の増加であり、診断基準のありかたや精神科の敷居が低くなったことまた軽うつ病自体がストレスの関与が大きいので現代社会のストレス増加などが要因とされている。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.10.24更新

不安と抑うつは誰にでも起こるものであり、生理的なものであることについては前回ふれた。しかし、その程度が大きくなると日常生活において支障をきたしてくる。それが病的な不安であり、病的な抑うつである。疾病学的にいうと不安障害であり、うつ病性障害{広い意味でのうつ病。うつ状態といわれるもの}である。これを現象学的に分けると大きく二つになる。一つ目は症状の程度はそれほど強くはないが持続時間がとても長くなって本人を困らせるものである。二つ目は症状の程度が半端でなく強くなり、自分ではコントロールが一部できなくなってしまうものである。疾病学的にいうと前者は全般性不安障害であり持続性気分障害{気分変調症や神経症性うつ病や軽症うつ病といわれるもの}である。後者はパニック障害であり大うつ病{本来のうつ病で内因性うつ病といわれるもの}である。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.10.14更新

不安も抑うつも日常生活と密接にからみあっている。知らないところに行ったり、お金がなかったりするとどうしようか不安になったりするであろう。また失恋体験や親しい人との別離で気分が沈むこともよくある。このように不安も抑うつもそんなものは知らないとかわからないということのない現象である。だれでも日常よく経験するものである。したがって不安も抑うつもたいていは正常範囲内のものなのである。不安だから不安障害、ゆううつだからうつ病というわけではないのである。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.10.02更新

私が学生の頃、教科書には必ずプレコックスゲフュールなる精神医学用語が載っていました。その意味するところは精神分裂症くささということなのですが専門医がみればプレコックスゲフュールを感じて精神分裂病の診断ができるというものでした。当時はそんなものかなーと思っていましたが、今はプレコックスゲフュールはわかるものの診断できる域には達していません。というかそもそもそんなもので診断できるわけがないだろうという確信に近いものを感じています。人をみてこの人こんな人だろうなーということを想像することはできても、見ただけでパッとわかるということはないでしょう。うつ病や統合失調症が軽症化する中、見ただけではわからない人が増えているのではないかと思います。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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