診療日誌

2013.05.31更新

手元にあった国語辞典で<妄想>をしらべてみると<ありもしないことを想像して事実だと信じること>とあった。精神医学的には妄想は非現実性、訂正不能性として理解されている。妄想は周りのひとがいくらそうでないと言っても訂正がきかない状態である。したがってどのように対応したらいいのかと聞かれることがあるが、<否定もせず、肯定もせず>というのが一般的な対応である。最近、タレントさんが<よく妄想するんです>という言い方をされるが、これは正確には妄想ではなく空想であろう。空想が非現実性を帯び、訂正不能になったときはじめて妄想ということになる。空想は正常なものであるが、妄想は病的なものである。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.29更新

昔読んだ本にストレス解消の4つのSが取り上げられていた。4つのSとはスポーツ{sports}のS、睡眠{SLEEP}のS,スイーツ{sweets甘いもの}のSとあとはセックス{SEX}のSであった。患者さんにはもちろんセックスは勧められないので、そのかわりにスパ{SPA温泉や入浴}を使うようにしている。あるいは何でもいいので好きなこと、楽しいことをやるように、それからクヨクヨしないようにということを常常話している。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.27更新

ストレス等の負荷がかかってもある程度は耐えることができる。しかし限度を超えるとさまざまな影響が身体面、精神面に現れてくるようになる。まず最初は自律神経系の異常だ。動悸とか下痢とかめまいとか頻尿とかその人に応じて弱い臓器を中心に現れるようになる。一般的に自律神経失調症とよばれる状態だ。つぎに出てくるのが不安、気分のおちこみ、不眠といった精神面の症状である。日常生活に支障が出てくれば、適応障害とよばれる。さらに悪化すると気分のおちこみが常態化するようになり、うつ病にいたる。うつ病は負荷の程度によっては誰にでも起こるものである。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.23更新

精神障害の方を診ているとき、一つの病気の範疇ではおさまらず、いくつかの病気を併発している場合が多い。昔は主たる病気をメインに考え、付随する状態は二次的なものとして扱っていたが、現在は合併あるいは併存として同列に考えるようになっている。例えばうつ病にパニック障害が併存していたり、社会不安障害に気分障害が併存していたりというように判断するわけである。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.22更新

現在適応障害とうつ病は全く次元の異なる別の病気とは考えられていません。適応障害が重篤化し、うつ病の診断基準を満たすようになるとうつ病と診断されます。すなわちうつ病と適応障害は一つの連続線上にあるわけです。適応障害はストレスとの因果関係が明らかな諸症状を示していますが、そのうつ症状をしめす重症例がうつ病ということになります。ただストレスとの因果関係のないうつ病もあり、うつ病の原因は単純」ではありません。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.21更新

重症度を見るときによく使われている簡便な方法は、日常生活機能の障害の程度で判断するものである。軽症とは日常生活において支障が生じているが、中等症のレベルには至っていないもの、中等症とは社会的機能の破綻に至っているもの{すなわち仕事に行けなくなってしまったとか、家事が全くできなくなってしまったとか}、重症とは自分の身の回りのこともできなくなってきたもの{すなわち風呂に入れなくなったとか食事もひとりで食べれなくなったとか}である。うつ病のほか認知症とか知的障害などにも利用されている。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.20更新

この病名はWHOの診断基準にはない。いわゆる従来診断と言われているものである。しかし、使い勝手がいいので<うつ状態>と同じようによく使われている。意味するところはストレス等の環境要因が引き金となって起こってくるさまざまな精神身体症状を指している。同じような意味でWHOにはストレス関連障害という括りがあるが、それよりはやや広い対象が含まれる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.08更新

病気を正確に診断するためには、しっかりとした基準があると心強い。特に精神疾患については主観的な体験を客観的に評価しなければいけないわけで、見る側の主観が混じっては困るのである。そのためにもうけられているのが診断基準である。現在広く使われているのがWHOの作った国際疾病分類{ICD}とアメリカ精神医学会が作ったDSMである。我が国では臨床上ICDがよく用いられている。このような診断基準が作られる前は従来診断といわれる診断法が用いられていたが、みる医師の立場によって診断が異なるなど問題が指摘されていた。診断基準がもうけられたことで公平な立場で評価することができるようになったといえる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.07更新

過呼吸とは息がハアハアとはげしくなる現象であり、生理的にも100メートルをダッシュしたあとには誰でも起こるものです。この過呼吸のなかでも主にストレスや情動を契機として起こってくるものを、一般的に過換気症候群と呼んでいます。これに対してパニック発作とは突然にはげしい不安におそわれ、それに伴い動悸や息苦しさやめまいなどがみられるものをいい不安障害の中に分類されます。またパニック発作がたびたびくりかえされるとパニック障害と呼ばれます。

投稿者: 湘南こころのクリニック

2013.05.06更新

精神の病いには二種類がある。通常ではあらわれない次元の異なる症状がみられる場合とそうでない場合である。前者は病的な症状がみられた時点で異常{病気}と考える。しかし後者は量的あるいは程度の異常であり、この場合どこからどこまでを異常とするか判定が容易でないことがある。知的障害のようにIQでクリアカットに分けられる場合もあるが、そうでない場合のほうが多い。ここでよく用いられる判断基準の一つが<日常生活で支障がみられているかどうか>という基準である。適応障害や認知症などで用いられている。量的異常が質的異常にかわる指標となっているとみなすこともできる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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