診療日誌

2019.03.17更新

大塚製薬よりアルコールの治療薬であるセリンクロが発売された。その説明会があり横浜まで足を運んだ。

アルコール依存症は元々断酒が治療の鉄則であった。従ってアルコール依存症の治療に節酒は「とんでもない」と言われてきた。

ところが近年、ハームリダクション{飲酒の害をできるだけ減らすという概念}が強く唱えられるにいたり、わが国でも2018年「新しいアルコール依存症の診断治療ガイドライン」の中に飲酒低減という選択肢が設けられるに至ったのである。そしてその低減治療薬こそがセリンクロという訳である。

時代が変われば考え方は変わるものである。医学常識と言われてきたものの中にはそういうものは少なくない。

しかしアルコール依存症の治療の骨幹は断酒であることに変わりはない。ごく初期のアルコール依存症あるいはアルコール依存症予備軍の方には治療の選択肢として節酒ということも試みてもいいということであり、うまくいかない場合はやはり断酒をしていきましょうという手続きになっている。

なおセリンクロの処方に当たっては制限が設けられるということであり、アルコール依存症の専門医あるいはそれに相当する者でないと行えないとなっており、当面当院では使えないということである。

従って節酒目的ではシアナマイドの低用量を今まで通り処方するということになる。

投稿者: 湘南こころのクリニック

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